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JISHU NO KAI

政府や米国の圧力に屈しなかった長崎市

今から79年前の8月、広島と長崎に米国による原子爆弾が投下され、日本は世界で唯一の被爆国となりました。

広島と長崎では毎年それぞれの市主催による原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が開催されてきました。

対照的だった今年の長崎と広島における平和祈念式典

今年、長崎市ではイスラエルの代表を式典に招待しないという決断をし、広島市はイスラエルの代表を招待しました。この違いは大きな意味をもっています。

式典は原爆で亡くなった人々を慰霊し、平和を祈念することを目的に開催されます。

どうしてそのような式典にこどもや女性をはじめ、約4万人もの人々を無残に虐殺しているイスラエルの代表を呼ぶことができるのでしょうか。それは被爆者や遺族、また平和を願う長崎市民、広島市民の心を踏みにじる行為です。

米国はイスラエルを招待しないのであれば、式典には参加しないと長崎市長に圧力をかけ、また日本以外のG7の国の大使も同調して参加しませんでした。

日本政府は、外交問題に発展する事態を懸念し、鈴木市長と関係のある現職閣僚や元参院議員を通じて水面下で翻意を促しました。

長崎市長は圧力に屈せず信念を貫き、長崎平和宣言を心の叫びとして朗読し、りっぱに式典をおこないました。

今年の式典は、誰が戦争を引き起こしており、誰が平和を築こうとしているのかを鮮明に示しました。また、米国に追随しイスラエルを支援する日本政府の姿勢が明らかになりました。

若い世代に引き継がれる平和への願い

長崎市の平和祈念式典の特徴として挙げられるのは、学生をはじめ、若い人たちが多く登場していることです。

当日、長崎市の平和公園での式典に参加できなかった人たちは、2700人も収容できる出島メッセ長崎のコンベンションホールで式典の様子を見ることができました。

メッセでは式典の様子を放映する前に、長崎玉成高校の生徒たちによるハンドベル演奏がおこなわれました。「千羽鶴」の演奏と女子学生の独唱は心が洗われるようでした。

メッセには教員に引率された生徒がたくさん参列し、献花していました。

また、式典の司会は長崎県立長崎南高校3年生の女子学生二人がおこないました。献水の一部は平和の泉から小・中・高校生によって採水されていました。

高校生によるハンドベル演奏(千羽鶴)

長崎の原爆資料館は当日は入場無料になり、多くの人々が参観していました。

長崎市長の決断は、多くの心ある市民と新しい世代にたいする平和教育が支えているのでしょう。

原爆が二度と投下されぬよう、唯一の被爆国日本は、世界のいたるところで戦争を引き起こしている勢力にたいして毅然とたたかっていかなければなりません。